クレジットカードを持つだけで、航空会社の上級会員になれるとは限りません。航空会社やカードの種類によって、カード保有だけで特典を受けられる場合、年間利用額などの条件を満たすと上級資格に近づける場合、搭乗実績が必要な場合に分かれます。
まず確認したいのは、カードの「空港ラウンジ特典」と、航空会社の「上級会員資格」は別の制度だという点です。ラウンジを利用できても、優先搭乗や手荷物優待などを含む航空会社の上級会員になったとは限りません。
クレジットカードで航空会社の上級会員になる主な方法
クレジットカードを使って上級会員を目指す方法は、主に次の3つです。どの方法が使えるかは、航空会社の会員制度とカードの規約によって異なります。
| 方法 | カードに関係する条件 | 搭乗実績 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| カード保有で資格や特典を得る | 対象カードの保有、年会費の支払いなど | 不要な場合がある | 対象カードが限られる |
| カード利用額で資格条件を満たす | 年間利用額など | 不要または少なくてよい場合がある | 利用対象外の支払いに注意が必要 |
| カードで搭乗実績を効率よく貯める | 搭乗に加えてカード利用でマイルなどを貯める | 必要 | カードだけでは上級会員になれない |
| 上級会員資格取得後に専用カードへ申し込む | 対象資格の取得とカード審査など | 先に必要 | カードが上級会員への入口ではなく、資格維持や特典利用の手段になる |
一般的な航空会社カードは、上級会員カードとは限らない
航空会社のマイルが貯まるクレジットカードを持っていても、それだけで航空会社の上級会員になれるとは限りません。一般的な航空会社カードの主な役割は、カード利用によるマイル獲得、搭乗時のボーナスマイル、航空券購入時の優遇などです。
一方、上級会員制度では、搭乗回数、飛行距離、運賃、航空会社が定めるポイントなどが判定基準になることがあります。カード利用で貯まる通常のマイルと、上級会員判定に使われるポイントは、同じものとは限りません。
したがって、カードを申し込む前に、次の項目を公式の会員制度とカード規約で確認する必要があります。
- カード利用額が上級会員の判定対象になるか
- カード利用で貯まるポイントが、上級会員判定用のポイントか
- 対象となるカードの種類やグレード
- 年間利用額の集計期間と対象外となる支払い
- カード保有だけで受けられる特典の範囲
- 上級会員資格の有効期間と更新条件
空港ラウンジ特典と航空会社の上級会員資格の違い
クレジットカードの特典として利用できる空港ラウンジには、カード会社が提供するラウンジと、航空会社が運営するラウンジがあります。カードの種類によって利用できる場所や回数、同伴者の扱いが異なります。
カードで空港ラウンジに入れることは、航空会社の上級会員資格を持っていることと同じではありません。一般に、上級会員資格には次のような搭乗時の優遇が含まれることがありますが、内容は航空会社や会員ランクごとに異なります。
- 優先チェックイン
- 手荷物の優先取り扱い
- 保安検査場や搭乗時の優先利用
- 空席待ちや予約に関する優遇
- 航空会社ラウンジの利用
- 搭乗や航空券購入に関するボーナス
「ラウンジを使いたい」のか、「搭乗時の優先サービスを受けたい」のかで、選ぶべきカードは変わります。ラウンジだけが目的なら、航空会社の上級会員を目指すより、ラウンジ特典のあるカードを比較したほうが条件を満たしやすい場合があります。
カード利用額で上級会員を目指すときの注意点
年間利用額が条件になる制度では、利用額を達成すれば必ず上級会員になれるとは限りません。利用額が「上級会員資格そのもの」の条件なのか、「申込資格」や「特典付与」の条件なのかを分けて確認してください。
また、カードの年間利用額には、次のような支払いが含まれないことがあります。
- 年会費
- キャッシング利用分
- 電子マネーや決済サービスへのチャージ
- キャンセルや返品となった利用分
- 一部の税金、公共料金、保険料など
対象外の支払いはカードごとに異なります。利用額の条件だけを見て「毎月この金額を使えば達成できる」と計算するのではなく、集計期間、利用日と請求日のどちらが基準になるか、対象外取引を確認してから判断しましょう。
搭乗実績が必要な場合は、カードだけで代用できない
上級会員の判定に搭乗回数や飛行距離などが使われる制度では、クレジットカードの利用だけで条件を満たすことはできません。カードはマイルや関連ポイントを貯める手段にはなりますが、実際の搭乗実績を置き換えるものではないためです。
この場合は、次の順番で考えると判断しやすくなります。
- 利用したい航空会社の上級会員制度を確認する。
- 判定に使われる搭乗回数、飛行距離、ポイントなどを確認する。
- カード利用で貯まるものが、判定対象か通常のマイルかを区別する。
- 自分の出張や旅行で、必要な搭乗実績を無理なく達成できるか計算する。
- 達成後の特典が、カード年会費や搭乗費用に見合うか比較する。
上級会員になるためだけに、必要のない航空券を購入すると、カード年会費とは別に大きな費用が発生します。普段から対象航空会社を利用する人ほど、カードによる効率化を検討しやすいといえます。
上級会員資格を取得した後に専用カードへ申し込む制度もある
航空会社によっては、先に一定の上級会員資格を取得した人を対象に、専用のクレジットカードを案内または申し込み可能にしている場合があります。このタイプでは、カードを先に持てば上級会員になれるのではなく、搭乗などで資格を取得した後にカードを申し込む流れです。
このカードには、資格の維持、会員向けサービスの利用、家族への特典提供などが関係する場合があります。ただし、資格の有効期間、カード退会後の扱い、更新条件は制度ごとに異なります。
「上級会員になるためのカード」なのか、「上級会員になった後に持つカード」なのかを取り違えないことが重要です。
自分に合うカードを判断する3つの基準
1. どの航空会社を主に利用するか
航空会社ごとにマイル、ポイント、上級会員制度の仕組みが異なります。複数の航空会社を同じ程度に利用する場合は、特定の航空会社専用カードより、使い道の広いポイントや旅行特典を持つカードのほうが合うこともあります。
2. 欲しい特典は何か
目的が航空会社ラウンジなのか、優先搭乗なのか、手荷物優待なのかで、必要な資格が変わります。空港ラウンジだけが目的なら、上級会員資格を取得するための搭乗費用まで含めて比較する必要はありません。
3. 年間のカード利用額と搭乗回数が条件に届くか
カードの利用額条件を使う場合は、普段の生活費や固定費だけで無理なく達成できるかを確認します。上級会員制度のために不要な買い物を増やすと、受けられる特典以上の負担になる可能性があります。
| 利用状況 | 検討しやすい方向 |
|---|---|
| 特定の航空会社を頻繁に利用する | その航空会社の搭乗実績とカード特典を比較する |
| 搭乗は少なく、ラウンジだけ使いたい | ラウンジ特典を中心にカードを比較する |
| カード利用額が大きい | 利用額が上級会員判定に使われる制度の有無を確認する |
| 複数の航空会社を利用する | 特定航空会社への集中が必要か、ポイントの使いやすさを比較する |
申し込む前に確認するチェックリスト
航空会社の上級会員をクレジットカードで目指すなら、カードの広告だけで判断せず、次の項目を確認してください。
- カード保有だけで得られるのは、上級会員資格か、単なるカード特典か
- 上級会員判定に搭乗実績が必要か
- カード利用額やカード決済が判定対象になるか
- 通常のマイルと上級会員判定用ポイントを区別できているか
- 年会費、追加カード年会費、更新費用はいくらか
- 特典の対象路線、対象便、対象空港に制限があるか
- 資格や特典がいつまで有効か
- 制度変更時に、すでに取得した資格がどう扱われるか
制度の条件は変更されることがあるため、申し込み直前に航空会社の会員制度ページとカードの公式規約を確認してください。特に、上級会員の判定基準、対象カード、集計期間は、古い比較記事や口コミだけでは判断しないほうが安全です。
クレジットカードで航空会社の上級会員を目指す結論
クレジットカードで航空会社の上級会員になれるかは、カードの種類と航空会社の制度によって決まります。カードを持つだけで上級会員になれるとは限らず、カード利用額や搭乗実績が必要な場合もあります。
最初に、利用したい航空会社の上級会員制度で「何が判定対象か」を確認してください。そのうえで、カード特典がラウンジ利用なのか、資格取得条件の一部なのか、資格取得後に使う専用カードなのかを区別すると、自分に必要なカードを判断できます。







